村野武範さんが患った中咽頭(いんとう)がんとは!原因 症状 治療法は?



「飛び出せ! 青春」や「くいしん坊! 万才」などで知られる俳優の村野武範さん(72)が23日、佐賀市でのイベントで、がんにかかっていたと初めて告白されました。「ステージ4で余命いくばくもない」と宣告されたが治療で回復したといい、村野さんは「あきらめなければ、いい道はある」と呼びかけています。

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村野さんによると、異変は一昨年の5月。首の小豆大のしこりに気づき、診察をうけた。

「風邪」と診断されたが、別の病院に行くと精密検査を勧められ、中咽頭(いんとう)がんとわかった。
「余命いくばくもないと言われたが実感がわかず、『はあ、そうですか』という感じだった」。

「このまま死ぬんだ」と思ったが、妻が調べてくれた陽子線治療を約1カ月半入院して受け、日常に復帰した。
転移や再発はなく、現在定期検査だけ受けているという。

引用:朝日デジタル

 

いつだったか村野武範さんを久しぶりにTVで拝見した時、
ずいぶん痩せられたなと思いました。

昔のあのハツラツとした熱血先生の姿はそこにはなく、
何か大きな病気でもされているのかなと心配したり、
月日が経つと人はこうも変わるのだなと思っていた次第です。

そんな村野さんが中咽頭がんを患い、現在治療中だということがわかりました。

 

■中咽頭がんって?

咽頭には、鼻腔の奥にある上咽頭(じょういんとう)
口を開けると見える部分で扁桃を中心とした中咽頭(ちゅういんとう)
中咽頭の下で食道の入り口となる部分の下咽頭(かいんとう)とがあります。


出典:https://health.goo.ne.jp/medical/10F21200

このうち、上咽頭と下咽頭は、特殊な鏡を入れて診察しないと見えませんが、
中咽頭は、口を大きくあけて、鏡で咽頭(のど)を見た場合、口の奥に見える部分です。

中咽頭は上部である軟口蓋(なんこうがい)、後部である後壁(こうへき)、側方にある側壁(そくへき)(ここには口蓋扁桃(こうがいへんとう)があります)、下部である舌根(ぜっこん)(舌のつけ根で、この部分は口をあけただけでは見えません)からなっています。

それぞれの部位にがんができますが、もっともがんの生じることが多いのは口蓋扁桃(こうがいへんとう)のある側壁です。
中咽頭には扁桃腺(へんとうせん)があるため、扁桃肥大と間違えられることもあり、
また中咽頭がんや下咽頭がんでは、食道がんとの重複がんが多いのが特徴とされています。

一口に咽頭の悪性腫瘍といっても、その部位によって
腫瘍の種類や性質、予後が違ってくるようですが、今回は村野さんの中咽頭がんについて調べてみました。

 

■中咽頭がんの原因は?

日本では九州、沖縄など南の地域に多く発症する傾向にあり、強い酒などが原因ではないかといわれています。
また、世界的にはインド、東南アジア、フランス、イタリア、ロシアなどに多く発生する傾向にあり、
やはり強い酒や、インドのかみたばこをたしなむ風習などが、中咽頭がん発症の誘因の1つではないかと考えられています。

また近年、咽頭がんでは、パピローマウイルスの関与が注目されています。

このように、喫煙や過度の飲酒を長期間続けることにより、
中咽頭がんが発生する危険性が高まると考えられています。

年齢や男女比でみると、50歳から60歳代に診断されることが多く、圧倒的に男性に多いがんです。
また中咽頭がんの場合、食道や口の中にもがんができることがあり、注意が必要です。

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■中咽頭がんの症状は?

中咽頭の発症しやすいところは、扁桃を中心とした部位ですが、男性に多く男女比は約4:1です。

初期には異物感のみですが、がんが潰瘍を作ると痛みが出現したり、
しゃべりにくくなったり、周辺の筋に浸潤すると口があかなくなったり、出血、呼吸困難など命に危険を及ぼす症状が出てきます。

多くの場合、リンパ節転移を伴いますが、時には、がんそのものによる症状がほとんどなく、
頸部へ転移したリンパ節の腫(は)れだけが唯一の初発症状となることもあり、注意が必要です。

村野さんも、初期症状は首の小豆大のしこりだったと報じられています。

しかも、最初は「風邪」だと診断され、別の病院の精密検査でやっと判明したことから、
自覚症状による早期発見の難しさを物語っているように思えます。

中咽頭がんは直接観察ができるので視診と触診が重要とされ、
CT、MRIもがんの範囲やリンパ節転移を診断するのに有用とされています。

 

■中咽頭がんの治療法は?

原発巣に対してはがんも悪性リンパ腫も放射線療法を主体とします。
しかし、がんで放射線の効果のないものや、頸部リンパ節転移のあるものには、手術療法がおこなわれます。

さらに制がん剤による化学療法が併用されることもあります。

村野武則さんは、報道によるとステージ4。

ステージ3、4では放射線単独の治療で治癒する確率は低く、
がんそのものの切除とリンパ節の切除の手術が治療の主体とされています。

がんが広がっている場合は、がんのある部分とその周りの組織を広く切除するため、
正しく発音する機能や食べ物をのみ込む機能が損なわれます。
このため、切除した部分を体の別の場所から切り取ってきた組織で埋める再建手術を行い、機能をできるだけ保つようにします。

放射線治療はがんを小さくし、手術をしやすくするために手術前に行われたり、
手術をしてもがんが取りきれずに残存していることが疑われた場合などに行われたりします。

残念ながら、手術ができないほど進行している場合には、放射線治療が主体となります。
治癒の可能性は少ないですが、がんによる痛み、出血、嚥下(えんげ)障害などの症状を和らげることができるとされています。
また場合によっては、手術が可能であっても放射線と抗がん剤を組み合わせた治療のみを行うこともあります。

村野武範さんはステージ4で発覚し、そして、「このまま死ぬんだ」と絶望的な気持ちになったものの
奥様が調べてくれた陽子線治療を約1カ月半入院して受け、日常に復帰できたということです。

中咽頭がんの5年生存率は保存的治療(放射線療法+化学療法のみ)では30%以下ですが、
広範切除を行った場合には70%以上の数字が得られたという報告もあります。

1期2期までなら放射線治療でいけるようで、大掛かりな手術も回避できます。
しかし3期4期の進行がんでは手術治療になり、その場合には再建手術も必要になってきます。

なるべく小さいうちに発見出来るように少しでものどの通りが悪かったり、痛みなどの違和感を感じたら、大きな病院で診てもらうようにしないといけないですね。
それにしても、陽子線治療は保険適用されていないので、早く保険適用になることを強く願う次第です。

参考文献:家庭の医学
参考サイト:https://health.goo.ne.jp/medical/10F21200 / http://ganjoho.jp/public/cancer/mesopharynx/treatment.html

まとめ

咽頭がんは早期の段階で治療を開始すれば、5年生存率が80%以上と高いため、完治することも可能だといわれています。しかし、初期症状が非常に分かりづらいために、発見時にはステージIII以上になっているケースも多く、治療が難しくなるようですね。
中咽頭がんや下咽頭がんではアルコールやたばこ、食物、環境因子などと因果関係があるとも報告されています。
咽頭がんが疑われたり、咽頭がんと診断された場合には、がん専門施設や頭頸部がんの専門医のいる病院を紹介してもらい、受診するのがよいでしょう。

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