年末になると、あちらこちらから「歳の市」「羽子板市」という言葉が聞こえてきますよね。
「歳の市」「羽子板市」とはどんな市をいうのでしょうか。そしてその由来や意味、関西ではどこで行われるのかをまとめてみました。
目次
■歳の市って何?
「歳の市」とは、年末の12月に開催され、正月の飾り物や正月用品を売る市のことです。
寺社の門前や境内などに市がたち、いずれも正月の準備をする人たちで賑わいます。
年末に行われる市ということから、「晦日市」とか「納めの市」とも呼ばれて、お正月用品や縁起物が売られています。
しめ縄飾りや羽子板をはじめ裏口・水引などの飾り物、台所用品や雑貨類も売られていて
これは正月用の品物もさることながら、新年を迎えるにあたって家庭用品などを買い替える習慣が根付いているためといえます。
東京では浅草の観音市が江戸一番の市として知られていて、
昔は正月を迎えるのに必要なものをこの市で揃えていたそうです。
歳の市の始まりは、江戸時代初期の浅草とされ、浅草に限定して市が立てられていたのですが、
やがて次第に江戸の各地に広まって行きます。
しかし時代と共に通常の商店でも正月用品を買うことができるようになったため、昔と比べすたれていきました。
そして、昔は「歳の市」で売られていた羽子板も
今は別に毎年12月17日~19日に「羽子板市」が立つようになったそうです。
■羽子板市って?
東京・浅草寺境内の「羽子板市」は最も大きな羽子板市として知られています。
境内に羽子板を売る露店が五十軒ほど並び、大小さまざまな羽子板が店いっぱいに飾られて
夕暮れになると浅草の仲見世通りも大変な人出でにぎわいます。
羽子板市の起源は、古くは「邪気を跳ね返す板」として
女の子の成長からを願う風習からきています。
羽子板でつく「おい羽根」が
害虫を食べる「トンボ」に似ている様や、そのかたい「豆」(むくろじ)の部分から
・悪い虫がつかない
・「魔滅(まめ)」にあてられ魔除けになる
・「マメに暮らせる」
などの縁起を担ぎ、江戸後期のころから女の子の誕生した家に羽子板を贈る風習ができ、
こうして羽子板を正月の縁起物として「歳の市」で扱う店が増えていったそうです。
現在のような浅草の羽子板市は明治中期、浅草寺「歳の市」の主要商品として販売されていたのですが
昭和25年頃には「羽子板市」の名で呼ばれ、歳末の風物詩として定着していきました。
●歳の市/羽子板市
住所:東京都台東区浅草2-3-1 浅草寺境内
日程:毎年12月17日~19日
TEL:03-3844-1221
■関西にある歳の市は?
関西ではどこで「歳の市」が行われているか調べてみると、伊勢神宮門前で開催されていました。
以下は2016年の産経新聞の記事ですが、今年はどうでしょうか。
伊勢神宮門前で「歳の市」/津では「おさかなまつり」
伊勢市の伊勢神宮門前「おかげ横丁」で17日、年末恒例の「歳の市」が始まった。
参拝客らでにぎわう通りに、しめ縄などの正月飾りを販売する屋台が並び、迎春ムードを盛り上げた。
また、津市美杉町上多気の「道の駅美杉」では、北海道などから取り寄せた海産物の販売市「おさかなまつり」が開かれ、サケやカズノコなど正月用の食材を買い求める客でにぎわった。
出典:https://www.sankei.com/region/news/161218/rgn1612180032-n1.html
京都では毎月25日の「天神さんの縁日」ですね。
21日の東寺の縁日(弘法さんの縁日)とともに京都の縁日として有名です。
年末ともなれば、お正月の飾り物や骨とう品、食料品などももちろんあるでしょう٩(ˊᗜˋ*)و
その他、百貨店やスーパーなどでも“大歳の市”というお正月用品や日用品などが売り出され、
つまりは歳末セールや年末大バーゲン、歳末大売り出し、とか。。。でしょうか。
縁起物に限っては神社仏閣門前や境内の「歳の市」で買った方がご利益ありそうかなぁ…(;’∀’)
参考書籍:暮らしのしきたり十二か月(神宮館)
まとめ
「歳の市」とは、年末の12月に開催され、正月の飾り物や正月用品を売る市のこと。神社仏閣の前に定期的に立てられた市だったのですが、年末になると正月の準備のために訪れる人々が多くなったことから、歳の暮れの定期市が、特別に歳の市と呼ばれるようになったといわれています。浅草の「羽子板市」も明治中期、毎年歳末に行われる浅草寺「歳の市」の主要商品として販売されていたそうな。現在も年末になるとスーパーや百貨店では「歳の市」という看板が立てられますが、同じようなものだったのでしょう。しかし、やはり縁起物と一緒に神社仏閣の前で開催される「歳の市」で買った方がご利益もありそうですね(⌒‐⌒)