6月の声を聴いた頃から二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」が始まります。
太陽が黄経75度の点を通過する瞬間 を含む日で、新暦の6月5日~6日頃になります。
その後夏至がくるわけですが、さて、芒種って何でしょう、知ってますか?
そして芒種の6月6日から習い事をすると上達するといわれていますが、その訳とは…
目次
■芒種(ぼうしゅ)とは
芒種の「芒(のぎ)」とは、稲などの穂先の違った形(針のようなとげ)のことを指し、
こうした形で穂を出す植物の種をまいたり、田植えを始める時期の目安とされてきました。
「芒種はや人の肌さす山の草」 鷹羽狩行
と歌われるように、山の草は、もう早くも人の肌を刺すぐらいに成長をしている、
月日のたつのは早いものだという意味です。
本当にこの時期、田んぼの青々と茂った稲があまりに凛として美しいので
ふと触りたくなり伸ばした手先が少しでも穂先に当たると、
針で刺されたかのような鈍い痛みに襲われるものです(笑)
同じように立春から135日目の6月11日前後が
暦の上では「入梅(にゅうばい)」で、ここから30日間が梅雨になります。
ちょうど蒸し暑くなり梅が熟す季節の雨なので「梅雨」と言うんだそうですよ。
「梅子黄(うめのみきばむ)」
青い梅が薄黄色に色づいてくるの意味
何気なく使ってる言葉にも、自然の営みがちゃんと盛り込まれているあたり、
日本語って素敵ですよね。
気象庁が発表する梅雨入りの時期は毎年違い、
また、地方によっても違ってきますが、
いづれにしても、「芒種」で種をまき終わるころに、雨の季節が巡ってくることになります。
梅雨空にシトシト降る雨は、うっとうしいですが
作物を育てるのには欠かせない恵みの雨だということです。
■稽古はじめ
むかし寺子屋や私塾では、初午に入門する習わしがあったそうですが、
楽器や舞踊などの伝統芸能では、
芒種と梅雨のこの時期、6月6日が「稽古はじめ」といわれています。
これは、歌舞伎・能・狂言などの伝統芸能の「初稽古」は
6歳の6月6日に始めるのが良いとされてきたから、
指を折って数えると、6でちょうど小指が立つため
「子が立つ」として縁起の良い日とされたようです。
さらに昔からゾロ目は縁起がいいとされ、
6が3つ並ぶ6歳の6月6日に何か芸事を習い始めると
子が一人立ちすると言われたそうです。
そしてその由縁は次の
世阿弥の「風姿花伝(ふうしかでん)」からきています。
■世阿弥の「風姿花伝(ふうしかでん)」
室町時代の能の大成者である世阿弥の「風姿花伝(ふうしかでん)」にも
能の稽古は数えの7歳(満の6歳)で始めるのが良いとされており
伝統芸能では6歳という年齢は大事な節目になっています。
これにちなみ、現在では、
6月6日は「生け花の日」「楽器の日」「邦楽の日」などが制定されています。
何か物を始めるのには年齢は関係ないと思われがちですが、
芒種を歌った、「芒種はや人の肌さす山の草」といい
梅雨の雨が作物の成長には欠かせない恵みの雨といわれる由縁を考えると
子どもが芸事を始めるのには、芒種と梅雨には深い関係があるようでなりません。
季節は梅雨まっさかり。
いつもは外で元気に遊んでる子供たちは、梅雨の季節は少しつまらないかもしれません。
その代わり外で遊べない子供に、楽器や伝統文化などを教えるには
ピッタリの時期だということです。
■これ、おすすめ本なんです・・・
教育カウンセラーの諸富祥彦先生は著書『子どもの心を救う親の「ひと言」』で
「子育てには3つのステージがある」と書かれています。
それは、
ステージ1、0~6歳の「心の土台づくり期」
ステージ2、6~10歳の「しつけ期」
ステージ3、11~12歳の「自分づくり」
ステージ1の0~6歳はとにかく親がひたすら愛情を注ぐことが大切な時期
ステージ2の6~10歳は社会的なルールやマナーを学ばせる時期
ステージ3の11~12歳は一歩下がって見守る時期
なんだそうです。
子供を持つ親としてとても参考になりますね。
春は旅立ちの季節。
そして春は新たに習い事をはじめる子どもたちも多い季節です。
何か気づかされるかもしれません。
まとめ
稽古始めとは、新年になって初めて武道・芸ごとなどの稽古をすること。初稽古ともいいますね。
なので、新年早々と思ってしまいますが芸事の稽古始めに関しては、芒種の時期6月6日で6歳からすることが上達するとされているんですね。子供の満6歳というと、しつけがキチンとできる時期・・・才能が伸びる最適の年齢だといえそうです。