学校のPTA役員や地域の役員などをしていると、保護者宛てや地域に配る文書を作成する仕事が多くなり、時候の挨拶分をどのように書けばいいかを悩んだりすることありますね。
手紙だってそう…。拝啓のあと、その季節にあった挨拶文を書こうとして手が止まることも度々です。
季節の挨拶の「時候」には「漢語調」と「口語調」の2通りがあります。
「漢語調」は例えば夏なら「盛夏の候(せいかのこう)」というように、
季節を表す言葉に「~の候」をつけます。
特に、ビジネス・公的な手紙や、目上の方に出す手紙の場合には、
「~の候」とつく漢語調の挨拶を使うようにしてあらたまった丁寧な言葉にすることが慣例になっています。
「口語調」は例えば夏であれば「毎日暑い日が続いておりますが」というように話し言葉で季節感を表します。
柔らかく親しみやすい感じがするので、親しい知人や友人など、個人と個人との手紙の際に用いられるのが一般的です。
文書や手紙で使われる時候は、月によって使うものが決まっていますが、
日本の季節を表す二十四節気も参考になると思います。
色々ありますが、ここでは、一般的によく使われている言葉をまとめてみました。
目次
■七月 ふみづき(文月)の挨拶文
【漢語調】
盛夏の候(せいかのこう)
猛暑の候(もうしょのこう)
盛暑の候(せいしょのこう)
大暑の候(たいしょのこう)
酷暑の候(こくしょのこう)
仲夏の候(ちゅうかのこう)
【口語調】
暑中お見舞い申し上げます。
梅雨明けの暑さはまたひとしおに感じられます。
海山の恋しい季節となりました。
夏空がまぶしく感じられる頃となりました。
夏が真っ盛りでございます。
花火の音が聞こえる季節となりました。
夏祭りがにぎわう頃となりました。
入道雲が蒼い空に映える季節になりました。
七夕飾りが軒先に揺れております。
最後の結びの挨拶として
「ご自愛下さい」「益々のご発展を祈念します」のように先方の健康や活躍を祈る言葉を述べます。
・猛暑のおり、どうかお体にお気をつけてください。
・夏風邪などお召しになりませぬように。
■八月 はづき(葉月)の挨拶文
【漢語調】
晩夏の候(ばんかのこう)
暁夏の候(なつあけのこう)
処暑の候(しょしょのこう)
残暑の候(ざんしょのこう)
秋暑の候(しゅうしょのこう)
暮夏の候(ぼかのこう)
初秋の候(しょしゅうのこう)
立秋のみぎり(りっしゅうのみぎり)
残暑お見舞い申し上げます。
残暑が続いておりますが、いかがお過ごしですか。
青草を蒸すような強い日射しが続いております。
立秋とは名ばかりの暑い日が続いております。
夕涼みを覚える頃となりました。
朝夕の風に秋の気配が感じられるようになりました。
夜空に秋の気配を感じる頃になりました。
初秋の気配が漂う今日この頃です。
結びの挨拶として、
・猛暑の疲れで体調を崩されませぬように、お身体には十分にお気をつけください
・夏バテなどなさいませんように。
■九月 ながつき(長月)の挨拶文
【漢語調】
初秋の候(しょしゅうのこう)
涼秋の候(りょうしゅうのこう)
中秋の候(ちゅうしゅうのこう)
秋色の候(しゅうしょくのこう)
白露の候(はくろのこう)
涼風の候(りょうしゅうのこう)
秋霜の候(しゅうそうのこう)
秋冷の候(しゅうれいのこう)
初秋のみぎり(しょしゅうのみぎり)
【口語調】
コスモスが秋風に揺れる頃となりました。
コスモスの花が野を彩り始めました。
灯火親しむ好季となりました。
ようやくしのぎやすい季節となりました。
朝夕は日ごとに涼しくなってまいりました。
さわやかな秋晴れが続いております。
虫の音色が聞こえ、秋の気配は次第に濃くなってきました。
結びの挨拶として
・季節の変わり目にて、お身体ご自愛くださいませ。
・夏バテなどなさいませんように。
【時候の挨拶】
一月・二月・三月 / 四月・五月・六月 / 七月・八月・九月 / 十月・十一月・十二月
まとめ
昨年は寒かったのに今年は暖冬だったり、例年は梅雨の季節だったのに今年はカラ梅雨だったり と、
一般的な時候の挨拶文が、その年の気候によっては季節外れのように感じる場合もあります。本文中の挨拶文を参考に、その時期にぴったりな時候の挨拶文をつくってみてください。また、丸写しするのではなく、それぞれの言葉の意味や目的を理解し、共有出来る話題として自分の言葉で挨拶文がつくれたらより好ましいと思います。