日本に多いとされるソメイヨシノ。
桜と言えばソメイヨシノというくらい桜の代表格といえるでしょう。
ソメイヨシノの名前はどのようにしてつけられたのか!
またソメイヨシノと里桜、山桜の違いってなんでしょう。
目次
■ソメイヨシノの名前の由来は?
日本の桜のおよそ8割を占める「染井吉野」。
桜の代表格ともいえる「ソメイヨシノ」の名前ですが
今回はその名前の由来について解説したいと思います。
江戸時代末期に、染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋が、
「大島桜」と「江戸彼岸桜」を交配して品種改良した園芸品種で、
明治以降全国に広まったそうです。
染井吉野は当初、奈良県山岳部の桜の名所『吉野山』にちなんで
「吉野桜」と命名されていました。
しかし、吉野山の桜はヤマザクラで、「吉野桜」の名は誤解を招くとして、
明治33年(1900年)、藤野寄命博士が、「染井吉野(ソメイヨシノ)」と命名されたそうです。
「染井吉野」は親木の利点を上手く受け継いだ逸品だとされ
花が大きく香りもよい「大島桜」の華やかさを、花が咲いたあとに葉が出てくるという
「江戸彼岸桜」の特徴がより引き立て、見事な咲きっぷりで一躍人気品種となりました。
明治の中頃より日本各地にソメイヨシノが多く植えられたそうです。
「桜の開花情報」の「桜」は気象台が定めるなどした特定のソメイヨシノを意味するなど、
現代の観賞用のサクラの代表種となっていますね。
バラ科の落葉高木。エドヒガンとオオシマザクラの雑種といわれる染井吉野の葉は広い倒卵形。
4月ごろ葉より先に、淡紅色から白色となる花が咲きます。
広く植栽され、木の成長は早いですが寿命は短いとされています。
■ソメイヨシノと山桜の違いは?
日本の桜は大きくわけて「里桜」と「山桜」の2種類があります。
山桜は山桜。ソメイヨシノは里桜になります。
<里桜>
人が園芸用に交配した品種の総称。
ソメイヨシノ、寒桜、牡丹桜、うこん桜など。
「ソメイヨシノ」は里桜の代表ということになります。
里桜とは人が交配して作った品種なので、子孫を残す能力がありません、すべてクローン。
自然界で偶然に交配した一本のソメイヨシノから接木だけで増やします。
里桜など園芸種の樹木は、人の手で管理してあげないと弱ってしまうため、
自然公園でも下草を刈り、耕して土に空気を入れ、肥料をやり、下枝を落とすなど
一年を通して丹念に桜の世話をしていかなければいけません。
特にソメイヨシノは公害に弱く、病気にも侵されやすい品種で、
枝を切ったら、切り口を消毒しないとそこから病原菌が入って
樹木全体が死んでしまうこともあるのだそうです。
里桜は山桜に比べて寿命が短く、
ソメイヨシノの平均寿命は60~80年といわれています。
<山桜>
山などで自生している品種で山桜、大島桜、彼岸桜、寒緋桜など。
山桜は自生しているだけあって丈夫で、
山にあるさまざまな桜が自然交配して種で勝手に殖えていきます。
自然に自生している木々はさすがに強いですね^^;
まとめ
「大島桜」と「江戸彼岸桜」を交配して品種改良してつくられ
「吉野桜」と命名されていたというソメイヨシノ。
しかし吉野山の山桜と間違えないように「染井吉野」と改名されました。
染井吉野は里桜の品種で子孫を残す能力がないため、接木で増やしていきます。
丈夫な山桜と違って、公害に弱く、病気にも侵されやすい品種なんだそうで
一年を通して管理していく必要があります。