基本的なマナーや作法も時代とともに変わってきてるようですが、座る位置で敬意を示すとされるのが上座と下座といわれています。会社の会議室や訪問先での席の座り方って迷いませんか?上座・下座の違いと場所や乗り物などでの上座の位置はどこになるのでしょう。
マナーは相手に気持ちよく過ごしてもらうためにできたもの。
社会人としてのふさわしい上座・下座の違いと席次の使い方はごぞんじでしょうか。
エレベーターやら会議室、飲み会などのテーブルなどなど…。社会経験の少ない新入・新卒社員はわからない人が多いと思います。そういう時は、先輩たちがそれとなく教えてあげてください。席次のことで気分を害して怒りまくる上司もいますし、後々面倒ですからね。
ここでは、社会人としてのふさわしい上座・下座の違いと席次の使い方について開設します。
目次
■室内での上座と下座は?
目上の方や年長者への経緯や来客に対するおもてなしの心は
室内で座る位置で表すことができます。
基本は、入り口から最も遠い場所が上座で入り口に最も近い場所が下座になります。来客には上座をすすめ、自分が訪問先の際は下座にすわるのがマナーです。
ただし、「どうぞどうぞ」と上座をすすめられた場合は恐縮しつつも素直に従う方がスマートに見えます。
<和室>
和室では、床の間に最も近い席が上座で、床の間側に接待される側が座ります。ただし、身内間の大人数の宴会などでは、年長者や目上の方から順に入り口から遠い席に座っていきます。
<洋室>
洋室に床の間はありませんが、上座の位置には絵画や飾り棚などがあり、長椅子が置いてあることが多いです。3人掛けの長椅子の場合、真ん中ではなく入り口から遠い一番奥が上座になります。
<会議室>
会社の会議室などでは、入り口から最も遠い席が上座になります。なので上司に座ってもらい、上座から交互に座っていきます。
例えばホワイトボードが会議室入り口に設置してある場合、ホワイトボードの正面がホワイトボードが一番見やすい位置となり、入口にもっとも遠くなるので上座になります。新入社員の方は入り口に一番近い席になります。
<レストラン>
大きな窓の外から美しい夜景が見渡せるレストランで、義理両親とディナーをすることになりました。その場合は、入り口から最も遠い窓側が上座になり義理両親に座っていただきます。
ただし、窓際だと美しい夜景が自慢のレストランでの夜景が見えません。「夜景が見れないですよね、どちらになさいますか?」と相手に尋ねて選んでもらうのもマナーです。
お部屋の状態によっては、窓の位置で眺めが良い席がある場合などはそちらを上席にする場合があります。基本を知ったうえで、その場に応じて判断をして何がなんでもマナー本に書いてあるようにしなくても臨機応変に対応するのもマナーですよ。
<丸テーブル>
食事会や接待などで丸テーブルの中国料理店を利用する場合、入り口から最も遠い席が上座になります。続いて上座の左側、右側と座っていき、入り口にもとも近い席が下座になります。
ただしホテルの宴会場で、ステージのイベントを楽しむ場合は、ステージに一番近い席が上座になります。真後ろがステージにならないように、少しずらしての見やすい位置を上座になるようにします。
■室外での上座と下座
席次は部屋の中だけでなく、あらゆる場所でも存在します。
多くの場合は入り口から遠い方や中央が上座になりますが、日本には「左上右下」という伝統礼法があり左が上位とされていることもあって、もし迷ったら左右を意識するといいでしょう。
大きなテーブルに座る場合は、中央が上座で続いて上座の左側が2番目、上座の右側が3番目と覚えておくといいでしょう。
ただし、西洋の場合は日本と逆の右側が上位になります。西洋式のイスに座る場合は左側から座るようにします。着席だけでなく退席も左側からがマナーです。
<来客の誘導>
来客を誘導する場合は左側を歩くのがマナーです。
体をやや斜めに向けて右肩越に相手を気遣い話しかけながら歩くといいですね。
<階段>
上り階段の場合は、来客の少し後をあるくようにします。
案内する側が先に上がると来客を見下す形になってしまうので、「すみませんが階段で2階までお願いします」と伝えて後ろから歩くようにします。
ただし下り階段の場合は先に誘導してもかまいません。
<エレベーター>
エレベーターにも上座と下座はあります。基本は操作盤からもっとも遠い奥が上座です。操作盤が左右にある庫内席次の場合は、入り口から見て左奥が上座、入り口に一番近い右席が下座です。
エレベーターを操作する人がいる場合は、お客さんや上司には先に乗ってもらい、自分は直接ドアを手で押さえ全員乗ったのを確認して最後に乗り込みます。降りる時は先に降りてみんなが降りるまでドアを押さえます。
無人エレベーターの場合は、「失礼します」と言って素早く乗り込み操作盤の前に立って開くボタンを押し、お客様に乗ってもらい降りる時は最後に降ります。
<タクシー>
会社の上司や同僚とタクシーで移動する場合、運転席の後ろが上座になります。後部席に3人で座る場合は真ん中が下座で、後部席に3人、運転席の横に1人の場合は、運転席の横がもっとも下座です。
ただし、タクシーは左側から乗る為、運転席の後ろは高齢者の場合や着物姿、ミニスカートなど、服装によっては乗り込みにくいので、
上座にこだわらず乗り降りがスムーズにできるように歩道側の後部座席にのってもらうのもありです
また同じ車移動でも車に乗せてもらう場合は助手席が上座。次が運転席の後ろというように、同じ車の移動でも微妙に違ってくるようですね。人間関係なども考慮してそこは臨機応変に対処していけばいいとされています。
<電車・新幹線>
対面式ボックス席の場合、進行方向に向かって窓際が上座で、逆に進行方向に背を向けた通路側が下座です。飛行機や電車と同じく、窓側に上司が座り、通路側に役職の下の者が座るというのが通例です。
ただし、電車や新幹線・飛行機などの座席は、トイレなどで席を立つことを考え、通路側を好む人も多いので確認された方がいいでしょう。
まとめ
基本的なマナーは今も昔も変わりませんが、使い方は時代に合わせて少しづつ変化しているようです。
入り口から一番遠いのが上座とわかっていても、イザ、席次を決めるとなると「あれ?どっちだったっけ?」てなること多いですよね。
ビジネスや近所付き合い、親戚づきあいなどマナーを知っておくと好感度も上がります。上座と下座の基本で差をつけちゃいましょう。