良くないものを指す場合、「くだらない」とか「つまらない」とか言いますね。「自粛でどこも出かけられないのでつまらないな~」て最近わたしも使いました^^;
「くだらない」とか「つまらない」は、よく似ていますが「どこも出かけられないのでくだらない」とは言いませんよね。「くだらない」と「つまらない」の言葉の意味や語源はどこからきたのでしょうか。
目次
■くだらないの意味
「くだらない」は「下る」という動詞の未然形に、打ち消しの助動詞「ぬ」(「~ない」と否定する)がついた形容詞です。
「下る」には通じるといった意味を示す場合があり、それを「ない」で否定して「意味がない」「筋が通らない」などの意味となり、取るに足りないの意味に転じたとされています。
■くだらないの語源は?
語源は2つあります。
1、江戸時代の流通が由来の説
江戸時代の政治の中心は江戸でしたが、京都は都としては特別な地位にありました。
江戸時代の物流は文化の中心だった京都から江戸へ流れていたんですね。
そのため、江戸から京都へ向かうことを「京都に上る」、京都から江戸へ向かうことを「江戸に下る」と表現していたそうです。
そして京都から江戸に届けられるものは「下りもの」と呼ばれていました。
江戸時代初期、江戸はまだ物資に乏しく、京都から届いた「下りもの」には織物や刀剣類、清酒などの高級品が多かったのです。
そのため、「下りもの」には、高級品や一流の品、本物といった意味も含まれるようになりました。
一方、江戸の近隣、関東で手に入る安価なものは、京都のモノより品質が悪かったので「下らぬもの」となり「下らない」と呼ばれるようになりました。
それがやがて、取るに足らないものを指す言葉になったといわれています。
2、意味が通らない=くだらない の説
「下る」という言葉には、上流から下流に向けて通り過ぎていくという意味があります。
そこから転じて、文章を読んだ時に意味や筋が通る、理解できるという意味も表すようになりました。
これに打消しの「ぬ」「ない」が付けば「くだらぬ」「くだらない」になります。
そこから意味が通らない、つまらないものを「くだらない」ものというようになったという説もあります。
くだらないの使い方
1、まともに取り上げるだけの内容がないくだらない話
2、相手になるほどの価値がないくだらない男だ
3、程度が低いくだらない連中と付き合う
4、大金をはたいてくだらない買い物をした。
5、お互にくだらない事もしゃべり合うような仲
6、くだらない問題を色々と出され時間だけが過ぎてゆく
■つまらないの意味と語源は?
つまらないは動詞「詰まる」に打消しの助動詞「ない」がついたもの。
詰まるは動けなくなる状態のほか、行動や思考が行き詰まる状態も意味し、
つまり「納得する」という意味で使われたようです。
そこで「つまらない」は「納得できない」の意味で使われるようになり、
楽しくない・心が惹かれない・興味がない・大したものでない・ばかげている・甲斐がない・取り上げる価値がない・役にたたない などの意味あいに使われます。
つまらないの使い方
1 初めて見た映画はキャストはいいが内容のないつまらない映画だった。
2 今は遊びにいく場所も当てもなくなくつまらい毎日を送っている。
3 意味がないつまらないうわさ話で時間をつぶす。
4 それだけの価値がないと分かっていても、ここでやめたらそれこそつまらないと思う。
5、つまらないものですが お納めください。
「くだらない」と「つまらない」は、似たような言葉でも、由来を知ると、深い意味があるようですね♪
まとめ
くだらないは、動詞「下る」に打消しの助動詞「ぬ」がついて、「くだらぬ」、「ない」がついて「くだらない」となりました。「下らない」と使う時には、あまり良い意味合いではなく、人の性格や話を否定したり、こき下ろす際に使ったりすることが多いようです。語源に、下る、下らないは、京の都から見てという事だったようで、江戸時代の流通が由来とは面白いですね。一方、つまらないは動詞「詰まる」に打消しの助動詞「ない」がついたもの。行動や思考が行き詰まる状態も意味し、やがて「納得できない」の意味で「つまらない」が使われ、現代の意味に変化したそうです。