4月8日の花まつり=潅仏会(かんぶつえ)には、釈迦の像に甘茶をかける行事があります。また、祭りのあとは甘茶がふるまわれますよね。
今回は、甘味飲料とされたり、加工食品の甘味原料として使われることも多い甘茶について調べてみました。
目次
■甘茶の原料は?
現在使われている甘茶は、アジサイ科のヤマアジサイの変種で、
「小甘茶(こあまちゃ)」から作られます。
小甘茶ってこんな植物です。
綺麗ですね~
小甘茶(コアマチャ)はユキノシタ科アジサイ属の落葉低木で、
本州の関東地方から中部地方にかけて分布しています。
日本の年間消費量は約50トンとも云われ、
長野県、富山県、岩手県などで契約栽培されています。
開花時期:5~6月
花の色: 赤、紫
分布:日本固有種。本州の関東地方から中部地方
生育地:山地、 畑
植物のタイプ: 樹木
大きさ・高さ:70~100センチ
<花の特徴>
ヤマアジサイ(山紫陽花)と非常によく似た花をつける。
装飾花は、はじめは淡い紫色をしているが、やがて淡い紅色に変化する。
また、装飾花の先端は丸い。
<葉の特徴>
葉は楕円形でやや細長く、向かい合って生える(対生)
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある
葉が赤紫色を帯びるのが特徴である
<実の特徴>
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
<花言葉>
祝杯
花言葉「祝杯」は、八大竜王がお釈迦(しゃか)さまの誕生を祝って、
天から甘露の雨を降らせて産湯に供したという伝説からきているんでしょう。
■甘茶の効能は?
心に溜まった厄や災難を洗い流し、心を清めるといわれる甘茶って
どんな効能があるのでしょう。
早速調べてみました^^
甘茶は、その名の通り甘いお茶です。
それも何を添加するわけでもなく
砂糖の100倍以上の甘みがあるというのですから驚きですよね!
普通に砂糖水でも甘いのに、
その100倍以上もある甘さって、飲めるの?って
思われる方もいると思いますが
自然の甘さなので、意外と体になじみスッと飲めるそうです。
甘いものが苦手な方も、大丈夫みたいですね。
甘茶の甘味成分は、フィロズルチンとイソフィロズルチンなんですが
この中のフィロズルチンには、
胃や腸の機能を改善し、血行をよくすると言われています。
抗アレルギー作用もあることから、
花粉症の鼻づまりの症状などを軽減してくれるんだとか。
ちょうどこの季節には、花粉症の症状で悩まされる時期でもあり、
甘茶で試してみるのもいいかもしれませんね。
さらには、
・胆汁のコントロールや
・喉に優しい
・口臭や歯周病
・婦人病や夏バテ
などにも効くとか言われてます。
現在も、甘茶は、その甘みから、
漢方薬の苦み消し、
糖尿病患者の砂糖代わり、
あるいは歯磨きの甘味、
醤油の味付け
などにも使われているんだそうですよ。
砂糖の100倍以上の甘さがある甘茶は
万能薬といっても過言ではないようですね。
しかもカロリーゼロで、ノンカフェイン。
美容と健康にもいいお茶だといえますよね。
では、最後にもうひとつ、
灌仏会(かんぶつえ)の甘茶には虫除けの効能もあるとされ、
甘茶を墨に混ぜてすり、四角の白紙に
「千早振る卯月八日は吉日よ 神下げ虫(ムカデ)を成敗ぞする」
と書いて室内の柱にさかさまに貼ると虫除けになるという風習が
かつては全国的に行われていたそうです。
昔はとてもメジャーなお茶だったようですね。
調べれば調べるほど、
甘茶の効能は凄いです!!
ちなみに甘茶はネットでも買うことができます。
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■甘茶の作り方
甘茶と言われてますが、このアジサイの葉は、実は苦いんです。
でも、発酵させると、
その甘さは、砂糖やショ糖の100倍以上の甘さがあるといわれています。
さて、作り方ですが、
8月のお盆の頃~9月初頭の頃に葉を摘んで、きれいに水洗いをします。
その後、水を噴霧して湿らせむしろをかけて発酵させます。
又は、湿らせて、積み重ねてから容器に詰め一昼夜放置します。
蒸れて(発酵が進み)熱くなった葉っぱをむしろに広げ、
よく揉んで日に干して乾燥すれば甘茶の出来上がりです。
早速飲んでみましょうか。
沸騰した1.0リットルのお湯に甘茶の葉を約5グラムを入れます。
最初は出来るだけ頻繁に味見をして、お好みの甘さになれば葉を引き上げて完成です。
昔、おばあちゃんがお茶の葉で、こんな作り方を見た記憶があります。
蒸したお茶の葉をむしろに広げて、手で揉み、大きな釜で炒ってたような
そんな記憶がありますが、
甘茶も、作り方は同じようなものなのでしょうかねぇ。
こうして手を掛けて、そのままではやや苦いだけの葉っぱが、
砂糖の数百倍もの甘味のある甘茶に変化するんだそうですよ。
いかがでしたか?
甘茶は、花祭りだけでなく、いろんなものに使われていたんですね。
まとめ
甘茶の原料がヤマアジサイの小甘茶とは知りませんでした。とてもきれいな涼しそうなアジサイですよね。
甘茶になるとは全く想像もしてなかったです。また、苦い葉っぱが発酵させると砂糖の100倍以上もの甘さになるなんて驚きますよね。カロリーゼロでノンカフェイン、飲むだけでなく、歯磨きや虫よけ、糖尿病患者の甘味料としても利用されているということです。