年齢を答える時、昔の人は数えでいいますよね。なぜ年齢の数え方って数えと満のふた通りがあるのでしょう。
満年齢と数えで何歳という言い方についてよくわからない方もいらっしゃると思います。
満年齢と数え年の違いや満年齢に変わったのはいつなのか!数え年の使い方などについて解説します。
目次
満年齢と数え年の違いは?
<満年齢>
年齢の数え方として、生まれた時を0歳として、
誕生日が来たら1歳足す。
<数え年>
生まれた時を1歳として年が明けたら1歳足す。
元日(1月1日)を迎えるごとにそれぞれ1歳、1年ずつ“年をとる”という意味です。
例えば極端な話、
12月31日に生まれた場合だと、生まれた時に1歳で翌日の1月1日には2歳になり、
1月1日に生まれた場合は、2歳になるのは翌年の1月1日になります。
なので、同じ年齢でも、何月生まれかによって、
満年齢と数え年では、最小で1年、最大で1年と364日の差が出ることになります。
女性にとって数え年はあまり嬉しくないですよね (´;ω;`)ウゥゥ
満年齢はいつから?
昔から日本では数え年で年齢を数えていましたが、
明治以降、諸外国との交流が増え「満年齢」が必要になりました。
そこで政府は1902年に「年齢計算二関スル法律」と
1950年「年齢のとなえ方に関する法律」を制定することによって
国民に「満年齢」での数え方を励行しました。
ここで数え年から満年齢への流れをさらに詳しく説明しましょう。
日本で満年齢が採用されたのは
実は明治6年(1873年)の太政官第36号からといわれています。
しかし公式には満年齢を採用しながらも、
条件付で数え年の使用も認めていたのです。
それを改めて満年齢のみとしたのが
明治35年(1902年)の「年齢計算ニ関スル法律」になります。
それでもなお民間では数え年を使う「ならわし」が残っていたために、
その「ならわし」を改めるように定めたのが昭和25年(1950年)の「年齢のとなえ方に関する法律」だといわれています。
つまり、日本で年齢を満で数えるようになったのは、
明治6年(1873年)の太政官第36号で満年齢が採用されてからですが、
日頃から満で数えるようになったのは、昭和25年(1950年)の「年齢のとなえ方に関する法律」からということになります。
数えから満への移行は西洋文化が入ってきた流の中でこうなったと思われますが、
今でも戦前生まれの人たちの中には、小さい頃に教えられた数え年で年齢をいう人たちがいらっしゃいます。
満年齢を広めた理由
西洋文化の流れから、満年齢に変わったのですが、
日本政府が満年齢を広めようとしたのには以下のような理由もあったとされています。
数え年から満年齢に変えることで
1、1歳若返ることで日本人の気持ちを明るくさせる効果
2、正確な出生届の促進
3、国際性の向上(数え年では国際的文化交流に支障があったため)
4、配給における不合理の解消(配給のカロリーは満年齢が基準なのに、実際は数え年で行われていたため)
という効果も見込まれていたそうです♪
確かに確実に1歳は若くはなりますけどね^^;
人生の儀礼には数え年が外せない
こうして「満年齢」で年齢を数えるようになりましたが
今でも厄年、厄払い、長寿の祝い、七五三などは「数え年」が使われています。
とくに「厄払い」は誕生日を迎えて(満年齢)からやるのでなく
年が明けたらひとつ年を足す数え年でやるのがいいとされています。
お葬式とかで亡くなった人の年齢を言う時も昔ながらの数え年です。
0歳でも、1歳または2歳になります。
満年齢と数え年って、使い分けがややこしいですね~( ;∀;)
まとめ
満年齢と数え年の違いは理解できたでしょうか。
数え年から満年齢に変わった経緯、政府が広めた理由もいろいろあったようですね。
しかし今でも人生の儀礼には数え年が必要のようで、
厄年、厄払い、長寿の祝い、七五三などでは数え年が使われています。
またお葬式でも享年を数え年に限定している宗派が多くあります。
数え年と満年齢の使い分けって何だかややこしいですね( ;∀;)