八月も終わりの頃、地蔵盆がやってきます。夏休み最後の子供のイベントとあって、子供たちは皆楽しみにしています。
地蔵盆は主に関西方面で行われているお祭りですが、どのようなお祭りなのでしょう。またどんなことをして過ごすのでしょうね
目次
■地蔵盆の意味や由来は?
地蔵盆とは8月23日24日に行われる、子供の無病息災を願った地蔵菩薩のお祭りで、
主に関西地方で盛んで、関東で見られることは少ない風習のひとつです。
地蔵盆の由来は、色々な説があります。
幼い子供たちが親よりも先に亡くなると、
親を悲しませ親孝行の功徳も積んでいないことから、三途の川を渡れず、
賽の河原で鬼のいじめに遭いながら石の塔婆作りを始めます。
しかし、そこに鬼がやってきて壊していくんです。
また、賽の河原で石を積み続けますが、また鬼に壊されます。
塔婆作りは永遠に続けなければならないとされ、
そのことを地蔵菩薩が哀れんで、子供たちを錫杖(しゃくじょう)の柄に取りつかせて
自らが子供たちの親となって救ったという逸話は有名です。
こうして、地域の一角には子供たちを救ってくれる地蔵菩薩をお祀りする「地蔵盆」が広まっていきました。
もう一つの謂れですが、小野篁という人が夜に地獄で閻魔大王の補佐している時に、
閻魔大王が地獄で苦しむ死者に代わり、自身の体を地獄の火で焼いているのを目撃します。
実はこの閻魔大王は、地蔵菩薩の化身でもあったんですね。
地蔵菩薩は様々な人を救うように仏から委ねられていたので、
地獄にいる人であっても閻魔大王として人々を救っていたんです。
これを見た小野篁は、閻魔大王を救うべく供養を始めたのが地蔵盆の由来になったとも言われています。
いずれにしても、地蔵菩薩は地獄の鬼から子供を救おうとして子供の守護神となったり、
たとえ地獄にいる人であっても、仏法や経文を聞かせて徳を与え、
成仏への道を開いて救っていかれた仏さまだったようです。
道端などによく見られるお地蔵さまが地蔵菩薩ですが
僧侶の形をして、右手に錫杖、左手には宝珠を持っている愛らしい姿で知られています。
■地蔵盆には何をするの?
お寺や神社のお祭りとは異なり、子供が主役の町内のお地蔵様のお祭りです。
西日本、特に近畿地方で盛んにおこなわれていて、所によってその行事のやり方は様々のようです。
お寺や各地域で祀る地蔵尊をきれいに飾り付けをして、
その前に屋台を組んでお花や餅などの御供え物をします。
そしてその前で子供達が遊んだり、お年寄りの人が御詠歌をあげたり、お菓子を食べたり、盆踊りをしたりする風習です。
もともと宗教的な行事である以上、お坊さんによる読経や、
百万遍数珠回しや、子供の健やかな成長を祈願して、子供の名前入りの提灯をお飾りしたりする地域もあるようです。
■地蔵盆には何をお供えするの?
一般的にはお菓子や果物、ジュースなどの飲み物をお供えします。
お地蔵様の前で 法要(お念仏の唱和)が終わった後
集まった子供にお供え物を配るんですが、地域以外の子供も来る場合もあり、
とにかく単価は安くても お菓子を数多くお供えします。
たくさん回りたい子は、自転車で学区外まで回る子もいるようですので、
何人来るかわからないため、数を多く用意してたほうがいいらしいです。
また、お金の場合、地域にもよるかと思いますが
子どもの提灯の数×3千円ぐらいが相場でしょうか。
金封は紅白のもので、御供の下の名前はフルネームで書きます。
お供え物がかぶらないように、ご近所の人とかと話し合う地域もあります。
今では現金が一般的なようですが、
地蔵盆は昔からその地域の習慣で行われていますので、
お供え物をいただかないところもあり、
本来はその地域の役員さんに聞かれる方が分かりやすいと思います。
■大阪で有名な地蔵盆は?
地域社会の絆を深める役割を果たすものと考えられている子供のお祭り「地蔵盆」は、
関西の多くの地域で行われていますが、次の二つの地蔵盆は有名です。
浴衣を着て家族やカップルで最後の夏をお楽しみください。
八尾地蔵盆祭り
「河内音頭のふるさと」八尾の夏は、市内各所に櫓が立ち、
幾重にも広がる踊りの輪へと人々を誘います。
なかでも常光寺に伝わる正調河内音頭は、室町時代、
常光寺再建の折に木材を旧大和川から運んだときに歌われた木遣り音頭がルーツと言われています。
流し節とも言われ、ゆったりと語りかける情緒あふれるその音頭は、現在ではここ常光寺でしか聞くことができません。
場所:常光寺
住所:大阪府八尾市本町5-8-1
開催日:8月23、24日(雨天中止 両日とも雨の場合は8月25日に順延)
時間:19:00~23:00
見物:無料
アクセス:【電車】八尾駅から徒歩20分 または下記URLより
➡ http://jyokouji.com/add/access.php
TEL:072-922-7749
URL:http://jyokouji.com/
地蔵盆フェスティバル
23日は前夜祭として、一心寺シアター倶楽部で「糸あやつり人形劇団みのむし」による、
笑えてこわい夏の人形劇「怪談・幽女執念~おそろしやおんなのしゅうねん」が上演されます。
24日には一心寺境内で、子ども守護祈願や盆踊り、夜店の出店などがあります。
8月23日「糸あやつり人形劇団みのむし公演」14:00~・19:00~
8月24日一心寺地蔵盆/16:00~
場所:一心寺
住所:大阪市天王寺区逢阪2丁目8-69
開催日:8月23日、24日
時間:16:00~19:30
見物:無料
アクセス:【電車】大阪環状線天王寺駅から徒歩15分 または下記URLより
➡ http://www.isshinji.or.jp/access.html
TEL:06-6771-0444
URL:http://www.isshinji.or.jp/event_jizobon.html
まとめ
地蔵盆が近づくと、いよいよ夏も終わりだなって思います。子供のお祭りなので、金魚すくいやヨーヨー、綿菓子のお店などが出ますが夏休み最後のイベントとして、地域の子供たちは毎年とても楽しみにしています。こうして地域のお地蔵さんに見守られて子供たちは成長して行くのです。
地蔵盆の頃になると、暑い夏の別れを感じヤレヤレといったけだるい安堵感とちょっぴり寂しい気持ちになってきます^^;