もうすぐお正月。お正月にふさわしい植物といえば南天ですね。
正月花として、玄関や床の間に飾られることの多い南天ですが
冬に赤い実をつける南天はヒヨ鳥のエサにもなるのだそうです。
今回は南天について調べてみました。
目次
■南天(ナンテン)とは?
南天(ナンテン)は昔から厄災を退ける力があるといわれ、
「難転(~難を転じて福となす~)」の語呂あわせで、
縁起かつぎに使われる木です。
冬の寒いときにも可憐な赤い実をつけるので
慶事の飾りにも喜ばれて使われます。
昔から正月用の生け花や寄せ植えとして人気がありますし
正月の掛け軸には水仙と南天を描いた天仙図が
縁起物として好まれたようです。
今年は庭の南天を使ってお正月の生け花をと思っている方は
下記の画像が参考になると思います♪
■南天の名前の由来は?
南天は、もともと中国中部やインドに分布し、平安時代に中国から渡ってきた植物です。
中国では古来、「南天燭(なんんてんしょく)」「南天竹(なんてんちく)」などの名前で呼ばれていたそうです。
赤い実をつける南天は食べ物の少ない冬には鳥のかっこうのエサとなり、
この赤い実は鳥にとって「燭(ともしび)」に見え、
南天竹の「竹」は株立ちが竹に似ているからそう呼ばれるようになったんだそうです。
日本名の「ナンテン」は中国での名称を簡略化したものといわれています。
日本には本州まで野生していますが、南天の産地として有名なのは
大阪府・奈良県・和歌山県・岐阜県・山梨県・兵庫県など。
町をあげて栽培に取り組んでいる岐阜県郡上市八幡町では、
毎年「南天まつり」が盛大に行なわれています。
では、南天の花言葉をみてみましょう。
● 赤い実:幸せ/私の愛は増すばかり/よき家庭
● 白い実:深すぎる愛/機知に富む/募る愛
南天は、白い花をつけた後に真っ赤な実をつけます。
この様子が、愛情が高まっているように見えたことから「私の愛は増すばかり」という花言葉がつけられました。
■白南天と赤南天って?
南天は厄除けや魔除けになるとされ
風水では、表鬼門(東北)は白南天を植え、
裏鬼門(南西)には朱南天を植えると良いとされています。
この他 トイレや洗面所などの水回り付近に
病魔除けに鉢植えで置かれる場合もあったり、玄関や欠けを補う場合に植えたりします。
ただし、裏鬼門には、こんもりとした背の低めの樹木がふさわしいので、
アカナンテンよりもオカメナンテン(おたふく南天)の方が無難かもしれません。
オカメナンテンは葉を愛でるので、実はつきませんが、紅葉がとても美しいです。
樹高が20~50cmと低いので、主に冬の花壇や寄せ植えに利用されています。
■南天の実の効能は?
南天の実は薬になります。
主に咳止めですが、南天の実を煎じて飲むといいそうです。
有名な“南天のど飴”の原料にもなっています。
江戸時代の文献にも、
「南天の実を乾燥させたものを砂糖と混ぜて煎じて飲めば咳に効果がある」という内容が記され、
古くから生薬として利用されてきたことがうかがえます。
ただし、咳を鎮める作用があるドメスチンというアルカロイドは、
多量に摂取すると知覚や運動神経の麻痺を引き起こす恐れがあるとされ、
医学の知識がない人が安易に扱うのは危険なので、注意してください。
また、慶事の際に食べるお赤飯には、南天の葉が添えられていますよね。
あの意味をご存知ですか?
実は、南天の葉には「ナンニジン」という成分が含まれていて
お赤飯の熱と水分により「チアン水素」を発生させます。
このチアン水素にお赤飯の腐敗を抑える作用があるのだそうです。
ただのお飾りだと思っていたらちゃんと理由があったんですね。
南天って本当にすごい植物だということがわかりました^^
まとめ
南天(ナンテン)の木は厄除けや魔除けになるといわれ、
トイレやお風呂場の傍には必ずといっていいほど植えられています。
白い花が寒い冬には赤い実になって、とてもかわいいですよね。
和風の陶磁器に実の部分だけ飾っても粋ですよ。