お正月、おせちを食べる前に飲むお酒をお屠蘇と言いますがどんな意味があるのでしょう。
またお屠蘇を飲む順番とか作法とかあるのかな?毎年、気にもせず当たり前のように行ってる行事ですが、今回はお屠蘇について解説してみたいと思います。
目次
■お屠蘇って何?
「おとそ」はお酒の一種で、漢字では「お屠蘇」と書きます。
「お屠蘇」の「屠」は屠(ほふ)る(退治する)、
「蘇」は悪鬼を指し、お屠蘇には悪いものを退治するという意味があります。
1000年以上前の平安時代からの伝統で、
この習慣は当時、中国から日本へ伝わったとされています。
お屠蘇の材料になる生薬は、「防風」「山椒」「肉桂」「桔梗」「桂皮」など、
芳香性の強い薬草をあわせた屠蘇散(とそさん)。
日本酒やみりんで生薬を一晩浸けこんだ一種の薬草酒であり
一年間の邪気を払い、無病長寿を祈り、心身ともに改まろうという願いを
込めてお正月に飲む縁起物のお酒です。
また材料となる生薬は、胃腸を活発にし、血行を良くし、
新陳代謝を促進し、風邪をひきにくくする効能もあるといわれています。
ちなみに屠蘇散は薬局や酒屋で販売されています。
年末に、みりんを買うと一緒に生薬が付いていたりもします。
作り方は、お酒かみりんに一晩「生薬=屠蘇散」をつけ込むだけ。
簡単ですよねww
日本酒に浸すとスッキリ味、みりんに浸すと甘くなりますが
正直言ってみりん自体の味が濃すぎてあまりお勧めしません。
それと屠蘇散は作っている会社によって生薬のブレンド比率が違うので
メーカーによっても味が少しづつ違うようです。
■お屠蘇の作法は?
お節の前にお屠蘇を頂きますが
お屠蘇って飲み方や順番の作法とかあるのでしょうか。
「おとそ気分が抜けない」なんて言葉もあるくらいだし
酔っぱらうくらいグイグイ飲んでいいのか?など…(*`艸´)
色々気になりますよね。
お屠蘇は元旦に新年の挨拶を終えたら、
祝い膳の前に若い人から年長者へと順番に盃を進めていきます。
まず最年長者が最年少者に屠蘇を注いで飲み干し、
その最年少者が二番目に若い人に注ぐというように、飲み終えた人が次の人に注いでいきます。
若い人の生気を年長者に渡すという意味や毒見の名残で、これが中国伝来の正月ならではのしきたりです。
しかし、通常の祝杯に準じて、家長から年少者へと進める方法もあります。
屠蘇は、日本では漢方医や医者も患者たちの健康を願って配ったという記述もあるところから、
いわゆる目上の人から下の者への無病息災をねがって分けるものという意識からきてるみたいですね。
いかがでしょう。
色々調べてみると、『年少者から飲む』とか『家長が最初に飲む』とか
いったいどれがホント?と考え込んでしまいます(;’∀’)
私の故郷では家長が先に飲み、順に年齢の下のものへと配っていました。
よって、正式な作法といっても調べたように地方や地域、
各家庭ごとに違っていてどれが正解、とは言えないので
住んでる地域や家のやり方で臨機応変にやればいいのではないかと… (*´艸`*)
次は飲み方ですが、
お屠蘇は多量に飲むものではありません。
三つ重ねの盃の場合、正式には小・中・大の順番でそれぞれ1杯ずつ飲みますが、
略式なら1つの盃に3回に分けて注ぎ、3回に分けて飲みます。
また、厄年以外の人が口にした杯には厄を祓う力があるとされており、
厄年の人は最期に飲めば厄払いになります。
また、アルコールが入っていますから、
子供や車の運転をする人は口をつける程度で十分です。
■屠蘇器がない場合はどうする?
屠蘇器があるだけでお正月らしい雰囲気になりますが
準備していないご家庭もあるかと思います。
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屠蘇器の代わりに使うものとしては、
普通にトックリと盃でも十分ですよ。
屠蘇散(生薬)をお酒かみりんに一晩浸けて完成したお屠蘇を
徳利に移し入れて代用してください。
できれば、日本の伝統を子供たちに継承していくためにも、
屠蘇器をお正月の前に準備されるといいでしょうね (⌒‐⌒)
まとめ
「お屠蘇」は、お正月に飲む酒の一種で「邪気を屠り、魂を蘇らせる」という意味があり、
あまりおいしいものではないですが、1年間の無病息災を込めてありがたくいただきましょう。
作法については、地方や家庭によっても違うようで、その家や地域の慣習で行っていいと思います。
屠蘇器もできるなら準備したいものですが、家にある徳利と盃でも十分でしょうw
いいお正月になりそうですね。