西洋のハロウィンに似てる「亥の子」のお祭りを知ってますか?
小学生から中学生の男子が 漬物石の様な子供の頭ほどの大きさの石に
太めのひもをつけて家々を回り 家の庭で石をついてお餅やお菓子などをもらうという年中行事です。
調べてみると西日本の方で行われている昔ながらの伝統行事だそうです。
私のふるさと長崎ではそんな行事はなかったように記憶していますが、
それでも大分県の杵筑市一帯では昔から行われていたようなんですよ。
すぐ近くの県なのに何故かな?
いったいどんなお祭りなのか
気になったので調べてみました。
目次
■亥の子の祝いって?
旧暦の10月に入り、最初にやってくる「亥の日」の「亥の刻(午後9時~11時)」に米で作った「亥の子餅」を食べて
無病息災や子孫繁栄を祝うお祭りを「亥の子の祝い(亥の子祭り)」といいます。
田の神を迎え送る「亥の子の祝い」は、収穫を祝い豊作を願う習わしとして、
主に西日本で多く行われてきました。
※ 東日本で同じような行事に、旧暦10月10日の「十日夜(とおかんや)」があります。
子供たちが地区の家々の前で亥の子石で地面を搗(つ)いて回るという行事とのことですが、
小さな子供たちの姿はどこかイノシシの子供(うりぼう)にも似ていることから
畑の作物を荒らすモグラや野ネズミを石や藁で追い払うという亥の子の祝いの行事にピッタリはまるように感じてしまいます。
地域によっては新暦10月の亥の日にするところや、
亥の日に関係なく日付を固定しているところもあるようです。
・11月1日…京都・護王神社の亥子祭
・ 11月9日…東京・小平市の亥の子
また2回目の亥の子をするところもあったり
地域によっていろいろのようですね。
■亥の子石って?
亥の子石の重さは1kg~10kg程度の平たく丸いもしくは球形の特別な石。
それに縄を付けて、子供たち(男子のみの地区もある)が歌を歌って引きながら
地面をたたいたり上げたりしてその地区の家々を回ります。
子供たちが去った各家庭の庭先には、
石の形に半球の穴がのこり、穴の大きいほど縁起がいいと喜ばれるんだそうです。
石のほか、田んぼの「稲わら」を集めて、紐やロープで縛り「こん棒」のようにした物を使う地方もあり、
こん棒の稲わらが散乱するのは、吉兆ともいわれ、翌朝まで残して置くそうな。
近年は庭もコンクリートなどで舗装している場合がほとんどなので、
小さな畳を持ち運びその上で搗いたり、空中で搗く動作だけを行ったり、
引き合うことでこすったりする地方もあるそうですよ。
ところで、昔から伝わる亥の子祭ですが
昭和40年代になると子供たちは亥の子祭りの準備や亥の子歌の練習に夢中になり過ぎるため、
宿題や勉強がおろそかになったことから、学校では亥の子行事を禁止としたところもあったんだとか。。
それによって廃止に追い込まれた地域もあった(ある)ようですが、
勉強そっちのけで亥の子祭に夢中になる子供たちの気持ち、それはワカリマスよね^^;
お菓子やお餅、小遣いまでもらえる亥の子祭りは、
子供たちにとってはとても楽しいお小遣い稼ぎの行事ですもの(* ´艸`)クスクス
子供の人数が少ない地域や年だと一人数万円。
多い地域や年でも数千円にはなるんですから、勉強どころではなかったのでしょうww
■歌の内容は?
亥の子唄の歌詞には
「祝い目出たの若松様」「これの屋敷は目出たい屋敷」「今年にゃ豊年穂に 穂が咲いて」「大黒様という人は」など
目出たい縁起を担ぐ内容が多いとされるも、地方によって歌詞もリズムも違うようです。
では見てみましょう。
ありゃとうこせとうこせ (10歳を越せ(そしたら安心だ))
餅はよう餅でも おがそうればさ
金持ちじゃ
ありゃとうこせとうこせ
亥の子の餅はついてもついても折れません
もう1つついたら折れすぎた
おまけにこまけにどっこいしょ
ここの嫁はんいつもらう 正月三日の朝もらう
鰯三匹酒五合 さいらのわたで祝おてやれ
おーこまはん 寝ーてんのけ 起きてんのけ
寝てても起きててもどんないわ 新米藁で祝おてやれ
どんぶらこ どんぶらこ もひとつおまけにどんぶらこ
一つや二つじゃ足りません
蔵に千石積むように
お神酒を供えて祝いましょ
ひとつ ふたつ みっつ よっつ いつつ むっつ ななつ やっつ ここのつ とー
祝わんものは 鬼産め 蛇産め
角のはえた子産め
やっさの尻を
煮え湯で焚いて また湯で焚いて
これのこれの ~さん(亥の子餅をつく家の長男等)に嫁をとって(~さんが女性の場合は婿)
繁盛せえ 繁盛せえ
とくのもり いのこのうた
いわいましょー いわいましょー
おおだいこーくの のーにーは
いーちから ふんまいて
にーで にっこり わらいかけ
さーんで さ-けを つ-くって
よーっつ よのなか よいように
いーつつ いつもの ごうとくに
むーっつ むびょう そくさいに
なーなつ なにごと ないように
やーっつ やしきを ひろめたて
ここのつ こくらを たておいて
とーで とって お-さめた
ふね~ ふね~いちでー いちがた あつもりさまよ
にではー おえどの かんのんさまよ
さんでー さぬきの こんぴらさまよ
しではー しなのの ぜんこうじさまよ
いつつー いずもの おやしろさまよ
むっつー むはなの ろくじぞうさまよ
ななつー なーらの だいぶつさまよ
やっつー やはたの はちまんさまよ
ここでー ここのつ こうぼうだいし
とではー ところの うじがみさまよ
あ~よほい よほい よいやな
あれわいな これわいな
よいやっせ ふね~ ふね~
亥の子餅搗いて 祝わん者は
鬼か蛇(じゃ)か 角の生えた子産め
お亥の子さんという人は
一から ふりまいて
二で にっこり笑ろて
三で 酒造って
四で 世の中良いように
五つ いつものごとくなり
六つ 無病息災に
七つ 何事ないように
八つ 屋敷を広げ建て
九つ 小倉を建て並べ
十で とうとう収まった
参考サイト:ウイキぺディア
子供が来た家では、亥の子餅やお菓子、小遣いなどをふるまいますが、
待遇が悪い家の前では悪態をつく歌も用意されているのだとか。
「今夜の亥の子を祝わん者は、鬼生め、蛇生め、角ん生えた子を生め」
だそうですよー 、めったにないと思いますが・・・
でも亥の子祭りってハロウインにそっくり!ですよね^^
まさに日本版ハロウィンです^^;
■何故亥の日なの?
イノシシは多くの子供を産むので、
子供に恵まれる縁起のイイ動物として「源氏物語」などにも登場します。
また亥は五行では水を意味するので
江戸時代には亥の日にこたつや火鉢の火を入れると、火事になりにくいという風習が根付いていたそうです。
旧暦の10月の最初の亥の日といえば、新暦では11月初旬にあたります
このころから、寒さが増すためこたつを出したり暖房器具を出したり手入れをし始めたりします。
亥の日を目安に冬物のコートを出したりする人もいます。
そろそろ本格的な冬が近づいてきてるなと感じる季節ということですね。
■亥の子餅って?
文献によると亥の子餅は、水と大豆や小豆・ささげ・ごま・栗・柿・水あめの
七種類の粉を混ぜて作られていたようですが
室町時代になると、白・赤・黄・胡麻・栗の五色の餅になったそうです。
近世には小豆の入った薄赤色の餅となり、やがて牡丹餅となったともいわれ
現在は、すべてを入れず干し柿とくるみやごまなどを混ぜて様々な形で作られているようです。
亥の子に似た形がかわいく、茶の湯の世界では、炉開きの日の茶菓子に使われることで知られています。
“亥の月の亥の日の亥の刻に食べれば病気をしない”
という言い伝えにあやかって、今年はぜひ亥の子餅を食べてみてください。
この冬、風邪をひくことなく健やかに過ごせるかもしれませんww
まとめ
ユニークな行事ですね。本来は、亥の月、亥の日に行われていたようですが、社会環境や生活環境の変化とともに祭りの形態も変わってきてるといわれています。子供の数も年々少なくなり、今は大人も一緒にやられてる地域もあるそうです。石で搗くか、藁で搗くか、歌詞もリズムも地域によって違うのでなかなか面白いですよね。