6月1日に冬服を夏服に変える衣替えをしましたが
10月1日にはこれをまた冬服に戻します。
これを「のちの衣替え」といいますが、この時期には虫干しも行われる季節。
「のちの衣替え」や虫干しの時期と意味、やり方などについて解説します。
目次
■のちの衣替えの時期は?
「衣替え」という言葉ですが、6月1日にもありましたよね。
衣替えの由来と謂れについて!更衣の時期はいつ?着物の場合はどうするの?
夏の衣替えと区別するために
10月1日の衣替えのことを「のちの衣替え」というんだそうです^^
もちろん、北は北海道から南は沖縄県までと細長い日本ですから、
それぞれの場所での気温の差は大きく、
地域ごとに衣更えの時期は前後します。
それでも日本では年に2回の衣替えで
夏用と冬用の切り替えが行われています。
私たちは10月の衣替えの時期になると、
夏の間、着ていた服をクリーニングに出したり、
自分でおしゃれ着洗いであらったりして、収納します。
昔は、着物だったので、のちの衣替えの頃に
「虫干し」をしていたそうです。
■虫干しって?
虫干しとは
日本で古くから行われている作業で,6~7月のつゆ明けの天気のよい日に行うが,11月~2月頃の乾燥期にもう一度虫干しをするのがよいとされている。
出典:コトバンク
日本には年に3回の「干す」習慣があるんですね。
夏の土用の時期の「土用干し」は
梅雨の間についた湿気取りの習慣ですが、
10月1日ののちの衣替えの頃は夏の間についた虫を追い払い、
タンスや行李(こうり)を掃除するための「虫干し」が行われてきたそうです。
次は1月の下旬から2月の節分あたりに行われる
「寒干し」というのがあります。
クリーニングなどの技術がなかった時代は、
年に2回の衣替えと洗い張りなどの着物の手入れと
「土用干し」「虫干し」「寒干し」と年に3回の虫干しで丁寧に扱われてきたんですね。
■虫干しのやり方は?
着物を一枚づつ裏返して衣紋掛けにかけて、
正午を挟んだ4時間程度、部屋の中で虫干しします。
直射日光には当てず、陰干しするのがミソです。
その間に一枚一枚点検します。
日本各地の博物館でも、所蔵する着物の虫干しが一般公開されることも多く
季節の風物詩になっているようです。
■現代の虫干し
昔から伝わる「虫干し」の風習は、現代でも行われています。
気密性の高いマンションでは、夏に大量発生したダニ等の寄生虫が
秋口から死体となって多く散らばって部屋に溜まっています。
これを放っておくと、窓を閉め切りがちになる冬に
アレルギーや喘息の原因になってしまうことに。
なので、天気の日が多い秋の日に、衣替えと一緒に衣類を点検し
ついでにタンスの中やクローゼットの中もお掃除しておきます。
一度しか手を通さなかった服でも、
汗などが少しでも残っていると、黄ばみの原因になります。
虫干しは害虫の点検やカビを防ぐもっとも効果的な方法なので
年に1回~2回、衣替えのシーズンに合わせてやっていくといいそうです。
まとめ
年に3回干す習慣は着物の歴史がそういった日本の風習をうみだしたのでしょうね。
湿気の多い日本では干すことが大事なお手入れの一つとされていたのでしょう。
日本人が着物やものを丁寧に扱う古来の風習はすてきですね。